焼結体・多孔質体

説明

選定された粒度の高分子粒体を成型金型にて充填・加熱し、隣接し合う粒子間が適正な 状態で融着した時点で冷却をすることによって平均的な気孔をもち、3次元的網目構造を織り成す多孔質体を作り出します。
この多孔質体は、比表面積が膨大なものであり、その表面は種々の界面科学的な特性を 示します。このような毛細管に空気や水などの流体を通すことにより、効率よく汚水の浄化や水中の不純物の濾過・分離を行うことが可能です。
濾過材(濾過フィルター・エアーフィルター等)としての機能だけではなく吸収体(イン クジェット等)・消音材(サイレンサー等)・誘導体(サインペン・ライター・芳香剤等)・制御材(センサカバー)・発泡体(浄化槽用散気装置・観賞魚/養魚の水槽用散気管等)などの機能をもっております。
当社ではこのような焼結体・多孔質体をシート状・円筒状・球状などお客様の要望に合わせて様々な形状に加工し販売しております。

特徴

  • 原材料のみで結合され、溶出物がなく耐薬品性にも優れております。
  • 気孔径はそれぞれの用途に合わせてある程度の範囲内で調整できます。
  • 金型を使用することで小ロットから様々な形状に加工することができます。

用途

  • エアフィルター
  • 水・薬品等の濾過フィルター
  • 医療用フィルター
  • 吸音材・防音材(サイレンサー)
  • 含侵・吸液材・塗布材・発散体
  • 散気管・散気筒・散気板・流動板他

焼結・多孔質体の種類と性能表

品番 材質 平均気孔径 (μm) 気孔率 (%) 耐熱温度 (℃) 耐薬品性
アルカリ 有機溶剤 油類
LDPE 低密度ポリエチレン 30・50・70・100 35~40 70
HDPE 高密度ポチエチレン 10・20・30・50 35~40 100
HDPE-G 超高密度ポリエチレン 10・15・20・30 38~40 110
PP ポリプロピレン 30・50・100・200 35~40 110
PMA ポリメチルメタアクリレート 30・50・0・100 33~36 80 ×
PS ポリスチレン 100・200 33~36 80 ×
EVA エチレン酢酸ビニル 30・50・70 38~43 50
FTE フッ素樹脂 10・30・50・100 30~40 260
  • ◎:全くあるいはほとんど影響がない。
  • ○:若干の影響はあるが条件により十分使用に耐える。
  • △:なるべく使用しないほうが良い。
  • ×:大きく影響があるため、使用に適さない。
  • -:データなし